まつ毛の結合について

水素結合

水素結合は、まつ毛が濡れると切断され、乾かすと再結合することが知られています。

この結合は、まつ毛の中でも最も弱いため、切れやすいという特徴があります。

イオン結合

イオン結合は、まつ毛の健康に非常に重要な役割を果たしています。

まつ毛が傷み、pHのバランスが崩れると、イオン結合が切断され、まつ毛に脆さと乾燥感が生じます。

イオン結合は、マイナスイオンとプラスイオンが結合することで成り立っています。

まつ毛のpHが中性であるため、グルタミン酸やアスパラギン酸の酸性アミノ酸が豊富に含まれ、負のイオンとして働きます。

また、アルギニンやリジンの塩基性アミノ酸は、プラスのイオンとして働きます。

このように、イオン結合はまつ毛の健康を保つために重要な機能を担っています。

シスチン結合

シスチン結合は、まつ毛のキューティクルとコルテックスの結合部分に存在し、まつ毛の強度を保つ役割を果たしています。

また、まつ毛パーマをする場合にはキューティクルを開く役割をもち、ダメージを招くことがあります。

そのため、まつ毛ケアにおいてはまつ毛のダメージを最小限に抑えることが重要であり、まつ毛の健康を保つためにもシスチン結合の大切さについて理解することが必要です。

ペプチド結合

まつ毛は、ケラチンと呼ばれるタンパク質からできています。

ケラチンは、アミノ酸のポリペプチド鎖が互いに結合することで形成されます。

そして、このポリペプチド鎖同士を結ぶのが、まつ毛において最も強い結合であるペプチド結合です。

水素結合、イオン結合、シスチン結合は、比較的簡単に切れてしまいます。

一方、ペプチド結合は非常に強いため、切断されるとまつ毛も切れてしまい、元に戻すことはできません。

したがって、断毛や枝毛といった問題が生じます。

特に、まつ毛パーマの場合、ウェーブを形成するために、水素結合、イオン結合、シスチン結合を切断し、再結合します。

しかし、アルカリ除去を怠り、再結合が不十分だとパーマが取れやすくなるだけでなく、まつ毛の強度低下につながるため、注意が必要です。

アイリストは、このような結合の性質を考慮しながら、まつ毛パーマのデザインを作り上げていくのです。